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奈良県広域消防組合

あしあと

    CROSS×TALK【隊員×消防長】Vol.4

    • [公開日:2026年8月28日]
    • [更新日:2026年8月28日]
    • ページ番号:4136

    「この仕事が天職だ」水難救助の最前線に生きる隊員たちの素顔

    消防組合の魅力・人柄・業務のリアルを多角的に発信する。頑張っている職員にスポットライトを当て、消防職員を身近に感じてもらうことをねらいとするクロストーク企画。今回は、消防業務の中で極めて危険度の高い水中での活動に従事する「水難救助隊」のお二人に、德永消防長が直接お話を伺いました!

    (左から)德永消防長、浅田隊員、小田川隊員

    【命を救う最前線へ】過酷な水難救助に挑む、それぞれの決意と誇り

    德永消防長「皆さん、こんにちは。今回は水難救助隊として活躍されているお二人にお話を伺います。水難救助隊の主な任務について教えてください。」

    浅田隊員「主な任務は、水難事故現場での人命救助です。要救助者をできるだけ迅速に救助できるよう努めています。」

    小田川隊員「当管轄には海はありませんが、大きな河川として吉野川があります。シーズン中には、県内だけでなく大阪府など県外からも多くの方が訪れ、遊泳中におぼれてしまったり、沈んでしまった場合の捜索活動などが主な任務となります。」

    德永消防長「なるほど。川遊びを中心とした流水域での河川事故や、管轄内に多いため池での不注意による転落事故などが対象となりますね。水中での活動は、消防業務の中でも極めて危険度が高く、最も過酷な現場の一つだと思います。その水難救助の業務に携わることになったきっかけは何だったのでしょうか。」

    浅田隊員「私は昨年から水難救助隊に拝命されました。特に自ら希望したわけではなく、組織の辞令によるものでした。最初は『水難救助は過酷で大変だ』というイメージがあったため驚きましたが、任命されたからには精一杯頑張ろうと取り組み、現在に至っています。」

    小田川隊員「私は採用前から水泳をずっと続けており、水難救助に携わりたいという強い希望がありました。奈良県広域消防組合で水難救助隊が新設されると知り、受験を決意しました。合格後すぐに自費で潜水士の免許を取得するなど、いつでも活動できる準備をしていました。」


    水難救助に対する強い想いを語る小田川隊員

    【恐怖と責任】万全の準備と「正しい恐怖心」が命を守る

    德永消防長「水中の業務には大きなプレッシャーや恐怖心も伴うと思いますが、どのように向き合っていますか。」

    小田川隊員「正直に申し上げますと、個人的なプレッシャーはあまり感じていません。自分自身の技術や安全管理に自信を持っているからです。ただし、現場では要救助者のご家族の心情を考えると、『絶対に助けたい、見つけたい』という強いプレッシャーや精神的な負担を感じることはあります。」

    浅田隊員「恐怖心は正直あります。まだ隊員となって2年目であり、もともと泳ぎが得意というわけではないためです。ただ、適切な恐怖心を持つことも安全管理上、重要であると考えています。」

    德永消防長「その通りですね。お互いに信頼し合えるバディとして、これからも頑張ってください。続いて、夏場の水遊びについて一般の方々へ伝えたいことはありますか。」

    浅田隊員「川の流速が速い場所や深くなる場所には絶対に近づかないこと、特にお子様から目を離さないよう十分注意していただきたいと思います。」

    小田川隊員「プライベートで水辺に行った際も、川の水面の見え方と実際の流れの違いなど『危ない場所はないか』と無意識に観察してしまいます。」

    現場での適切な恐怖心について語る浅田隊員

    【原点と試練】中学生の頃の職場体験から天職へ!

    德永消防長「二人の消防を目指したきっかけは何だったのですか。」

    浅田隊員「私は、中学生の時に職場体験で消防署を訪れたことが強く印象に残っており、大学時代に進路を考えた際にもその経験が頭にありました。ほかの職業は考えておらず、消防職員の採用試験を受験しました。また、奈良県広域消防組合を選んだ理由は、生まれ育った地域の安心安全に貢献したいという思いがあったからです。」

    小田川隊員「私は、大学卒業後、スイミングインストラクターとして勤務していた際、引率した海で子どもがおぼれてドクターヘリが出動する事案に遭遇しました。『こうした事故を防ぐためにはどうすればよいか』と考えたとき、水泳のスキルを生かして人命を救うことができる消防の仕事に行き着きました。」

    德永消防長「お二人とも非常に強い正義感を持っていますね。これまでの勤務の中で、辛かった経験や苦しかった経験はありますか。」

    浅田隊員「私は、体力的な負担はもちろんですが、悲惨な現場に直面したときは精神的な厳しさを感じます。」

    小田川隊員「私は最初の配属先が救急件数の多い大和郡山消防署でした。食事も満足にとれないほど忙しく、救急業務の厳しさを痛感しました。」

    水難資機材を着装した小田川隊員

    【支え合いの絆】尊敬できる先輩たちの背中と、家族・ダイビングで養う英気

    德永消防長「これまでの勤務の中で、模範となるような先輩職員はいましたか。」

    浅田隊員「はい。仕事ができて周囲への気配りを怠らず、親身になって指導してくださる尊敬できる先輩がいました。」

    小田川隊員「予防業務においても、上司や先輩が書類の形式的な確認だけでなく、細部までしっかりと指導し、知識を分け与えてくださる姿勢に深く感銘を受けました。」

    德永消防長「素晴らしい環境で育っているのですね。お二人も将来はそうした先輩になってください。プライベートや非番の日の過ごし方についても教えてください。」

    浅田隊員「私は野球やゴルフをしていましたが、昨年に子どもが誕生してからは家族と過ごすことが一番の気晴らしであり、生きがいです。」

    小田川隊員「私は趣味でダイビングをしています。水難救助隊の活動で培ったスキルや海への興味もあり、自分のペースで海の地形や魚を見てリフレッシュしています。」

    德永消防長「なるほど。今後の目標についてもお聞かせください。」

    浅田隊員「現在は水面活動の資格のみですので、今後は潜水士の資格を取得し、水中での活動がスムーズに行えるよう訓練を重ねていきたいです。」

    小田川隊員「今年は和歌山県の潜水・水難課程に入校予定ですので、そこで高度な知識と安全管理をしっかりと学び、将来は教官として後進の育成に貢献したいと考えています。」


    プライベートや今後の目標について笑顔で応える浅田隊員と小田川隊員

    【未来へつなぐ誇りと覚悟】「この仕事が天職」――熱き職員たちが描く消防の未来

    德永消防長「それでは最後に、消防職員としての意気込みを聞かせてください。」

    浅田隊員「民間企業を含めさまざまな職業の選択肢がある時代ですが、消防という仕事に大きなやりがいを感じています。さらに知識と経験を積んで成長していきたいです。」

    小田川隊員「私は転職組ですが、消防の仕事が自分にとって天職だと感じています。指導や育成の業務に加え、自身のスキル向上にも努めながら、組織に貢献していきたいと思います。」

    德永消防長「お二人のような熱意を持った職員が第一線で活躍してくれることは、組織にとって大変心強いことです。これからも後進の見本となり、現場の主軸として誇りを持って頑張ってください。本日はありがとうございました。」


    ※この対談では、日々の過酷な救助・消火活動の裏にある葛藤や、仲間を思いやるチームワーク、そして職務に対する強い使命感を語っていただきました。「多くの職員に光を当てたい」という思いから生まれた本企画です。
    記事とあわせて、奈良県警吉野警察署様と当組合で作成した「STOP!水難事故!」の動画もYouTubeにて配信中です。ぜひあわせてご覧ください。


    奈良県広域消防組合 公式動画「STOP!水難事故!」